
京都で生まれ育ったライター・紫原が地域の気になる情報をお届け。今回紹介するのは、京都府京都市山科区にある隨心院にて3月7日(土)・8日(日)に開催される「小町美味いもんマルシェ」だ。
小野小町ゆかりの門跡寺院
真言宗善通寺派の大本山である隨心院は、弘法大師から8代目の弟子にあたる仁海僧正の開基にして、991(正暦2)年に一条天皇よりこの地を賜り一寺を建立。
古くは牛皮山曼荼羅寺と呼ばれ、第五世、増俊阿闍梨の時に、曼荼羅寺の子房として、隨心院を建立し、1229(寛喜元)年に後堀河天皇より門跡の宣旨を賜って以来、門跡寺院と称されるようになった。来たる2029(令和11)年には門跡宣旨800年を迎えることを記念し、さまざまな事業や行事を計画しているという。
また『るろうに剣心』や『レジェンド&バタフライ』、大河ドラマ『べらぼう』、ドラマ『大奥』など、これまで多数の映画や時代劇ドラマの撮影場所として利用されてきた。
実は、隨心院が位置する山科周辺は、小野氏が栄えた土地と伝わる。小野氏といえば飛鳥時代に遣隋使を務めた小野妹子や、平安時代に活躍して閻魔大王に仕えたとの逸話もある小野篁など、歴史に名を刻んだ人物が多い。
なかでも有名なのが、平安時代の歌人であり絶世の美女といわれる小野小町。その生涯は謎に包まれているが、小町が晩年を過ごした跡地に建立されたと考えられているのが隨心院だ。境内には小野小町が自身に寄せられた千通の恋文を埋めたという文塚や、恋文を供養した小町文張地蔵、化粧に使った井戸など、小町ゆかりの遺跡が残る。
また、小野小町の一生を描いただるま商店作の「極彩色梅匂小町絵図」も見どころのひとつ。4面からなる襖絵は驚くほど色鮮やかで、幻想的な雰囲気に魅了される。
このように小野小町と縁のある隨心院は、梅の名所としても親しまれている。
毎年3月に公開される境内の小野梅園には山紅梅や白梅、薄紅梅など多様な種類が約200本あり、例年中旬から下旬に見ごろを迎えるという。特に、最も多い薄紅梅の色を古来「はねず色(朱華色)」と呼ぶことから「はねずの梅」とも称され、京都市内でも遅咲きの梅を楽しめる場となっている。
3月の最終日曜日には、小野小町の伝説をもとに「はねず色」の小袖を着た少女たちが紅梅を花笠にして舞う「はねず踊り」を開催。予定が合えば、春の訪れを感じる行事をぜひ一度観覧してみて。
「小町 美味いもんマルシェ」が今年も開催

3月7日(土)から小野梅園の特別公開が始まるのに合わせて、今年も2日間にわたって「小町美味いもんマルシェ」が開かれる。

梅園前通路の会場には、地元のキッチンカーをはじめ、各地から隨心院に“美味いもん”が集結。たい焼きやクレープ、ベビーカステラといった定番メニューはもちろん、地元のスイーツ屋も参加してこだわりのグルメ・スイーツがずらりと並ぶ。
飲食スペースも設けられているので、腰を落ち着けて食べられるのがうれしいポイント。子どもから大人まで、思う存分グルメ巡りを満喫しよう。
出店のラインナップは以下の通り。両日出店する店舗には◎、7日(土)のみの出店には☆、8日(日)のみの出店には★を付けている。
◎おにぎり利次郎:おにぎり、からあげ
◎ベビーカステラ専門店○菓子:ベビーカステラ
◎RUDE BURGER CLUB:ハンバーガー
◎リトルフィートカフェキョウト:ワッフルプレート・ドーナツ
◎Kitchencar LUX:焼きそば
◎はぢめちゃん号:五平餅、みたらし団子、フルーツ飴
◎ミヤコパンダ:京餃子、梅しそレモン餃子
◎バターのとりこ:ロングポテト、からあげ、チュロス
◎atelier uta:焼き菓子
◎patisserie a la Ma:スイーツ、ドリンク
◎山科わかさや:和菓子
☆森のひとやすみ:たこ焼き、QQボール
★和ダイニング 一旦:だし巻きサンド、粕汁
★メロンパンみのり:メロンパン、焼きカレーパン

またイベント当日は、小野梅園内にある茶室にて、京都橘大学の裏千家茶道部に所属する学生が注文ごとに1杯ずつ丁寧に点てる抹茶と隨心院オリジナル和菓子のセットを提供。

和菓子には、梅をイメージしたはねず餅と花の間をイメージした創作和菓子の2種類がある。抹茶と和菓子のセット、および煎茶と和菓子のセットは500円で、お茶のみだと200円。なお茶室を利用する場合、梅園の入園料300円が別途必要となる。
ほのかに甘い和菓子と香り高い抹茶を味わいながら、梅園の景色を眺める優雅なひとときに浸ってみては。
美味いもんと一緒に楽しめる企画も!
今年は小野梅園に近い薬医門前にて、京都橘大学の学生によるステージも実施。多彩な演奏やパフォーマンスを無料で観覧できる。
3月7日(土)には11:30より吹奏楽部、13:00より書道部、14:00より箏曲部が登場。翌8日(日)は11:30より書道部、13:00より吹奏楽部、14:00より箏曲部の順で出演する。(雨天時中止の可能性有り)

さらに2日間限定で授与される「梅香る御朱印」も見逃せない。
こちらは梅のお香を使用して香り付きに仕上げた特別な御朱印。日本の伝統的な染色手法である友禅染の技術を応用した友禅印刷により、柔らかいタッチの小野小町と和歌が描かれている。一人一枚ずつの授与で、奉納料は700円。数量限定につき、なくなり次第終了となる。
イベント概要
「小町 美味いもんマルシェ」の開催日時は、3月7日(土)・8日(日)の両日ともに9:00から16:30まで。入場は無料だが、小野梅園の入園と隨心院の拝観は有料。
また会場の隨心院について、マルシェ開催日は駐車場が利用できないため、来院には電車が推奨されている。JR「京都駅」より電車を乗り継いで約25分ほど。最寄りの京都市営地下鉄東西線「小野駅」からは徒歩約5分でアクセスできる。
なお、ペットを連れての参加は遠慮してほしいとのこと。
そして、同時期に開催されている企画や行事にも注目。
境内の「能の間」にて、襖絵「極彩色梅匂小町絵図」と美しい花々が共演する企画「花の間」が3月13日(金)まで開催中だ。さらに3月1日(日)〜31日(火)の期間、秘仏である本尊『如意輪観世音菩薩坐像』を観ることができる「春期本尊特別御開帳」も行われている。
せっかくなら「小町美味いもんマルシェ」と併せて訪れてみてはどうだろうか。
■小町美味いもんマルシェ
開催日時:3月7日(土)・8日(日) 9:00~16:30
開催場所:隨心院 梅園前通路
住所:京都府京都市山科区小野御霊町35
イベント詳細ページ:https://www.zuishinin.or.jp/2026/01/%f0%9f%8c%b8%e6%a2%85%e5%9c%92%e5%85%ac%e9%96%8b%e8%a8%98%e5%bf%b5%e3%80%8e%e5%b0%8f%e7%94%ba%e7%be%8e%e5%91%b3%e3%81%84%e3%82%82%e3%82%93%e3%83%9e%e3%83%ab%e3%82%b7%e3%82%a7%e3%80%8f%e9%96%8b/
■隨心院
拝観時間:9:00〜17:00(16:30受付終了)
拝観料:大人500円、身障者400円、中学生300円
公式HP:https://www.zuishinin.or.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/zuishinin/
■観梅会(名勝 小野梅園 特別公開)
開園期間:3月7日(土)~22日(日) 9:00〜16:30
入園料:大人300円、小学生以下無料
※3月29日(日)の「はねず踊り」開催時は大人1,000円、中学生800円(拝観・梅園入園料を含む)
詳細ページ:https://www.zuishinin.or.jp/2025/12/baien2026/

紫原もこ
生まれも育ちも京都のWebライター。とはいえ京都についてはまだまだ勉強中。趣味は観劇、美術館・神社仏閣巡り。